農産品輸出のベトナム老舗業者の努力とイノベーション

ベトナム農業:にんにく・ライチ

新型コロナの流行は輸出業に様々な問題を突きつけたものの、多くの企業が知恵を絞り、攻略が難しい市場に新たな商品を送り出している。

コーヒー豆の殻を1kgあたり100ドルの高級製品に変えたり、日米までの長距離輸送という問題の解決に北部特産ライチの新鮮さと味を保つ技術を開発したり、中国産ニンニクの競争力が低下している間にベトナム産ニンニクのアメリカ輸出に成功したり、ベトナムの老舗農産品輸出企業は様々な工夫を続けてきた。

「ゴミ」から高級製品を

Cascara Blue Son Laという銘柄のお茶のパッケージを片手に、ホーチミン市Phuc Sinh社のPhan Minh Thong社長は「この製品はヨーロッパの取引先がお茶・コーヒーチェーンでの販売のために、1kgあたり99ドルで買ってくれます」と自信たっぷりに話す。

このお茶はコーヒー豆の殻、つまり本来なら捨ててしまうものから作られているという。Thong社長がアメリカで偶然この種のお茶に出会い、興味を持ったのが開発のきっかけだった。1年以上試行錯誤を繰り返し、ようやく生産に成功し、この4月に販売を開始した。

同社は、胡椒輸出のトップ企業でベトナムのコーヒー輸出企業トップ10にも名を連ねており、Thong社長は「ベトナムの胡椒王」と呼ばれている。

Thong社長によると、同社は長年原料輸出を主な業務としていたが、付加価値の高い商品を作り出すために、2016年から加工品の開発に力を入れてきた。

Cascara以外にも、同社はこのコロナ禍の最中に数々の新製品を世に送り出している。低温乾燥のピンクペッパーやグリーンペッパー、ペッパーソースなど、消費者にとって高品質で使いやすい製品を生み出している。

コロナ禍でもイノベーションの流れを止めることなく開発を続けたことで、多くの企業が業績不振に陥っている中、同社は輸出を大きく伸ばす結果となった。

1か月の品質保持が可能なライチ

アメリカへの果物輸出部門でトップのVina T&Tグループも、アメリカ市場に輸出できたライチは1トンに過ぎず、成功したとは言えない。同社Nguyen Dinh Tung社長はこの原因について、収穫から7~10日ほどで痛んでしまうライチの保管技術を持っていないことを挙げている。

こうしたことから、輸出業者は、北部で収穫されたライチをすぐに初期加工、包装をして飛行機で南部に送り、そこからさらにアメリカまで空輸しなければならず、輸送コストがかかるため商品価格は非常に高額になり、アメリカ市場で競争力を得られていない。

Tung社長は「長年の研究を経て、当社は痛みの早い生ライチを45日間新鮮に保つ技術を開発したことで、国内輸送は陸路を使い、初期加工後に海路でアメリカに輸出することができるようになりました。そのため、生ライチ価格は空輸を使っていた時の価格と比較して、36分の1に抑えることができます」と自信ありげに話した。

アメリカに香辛料・香味野菜輸出のチャンス

Tung社長によると、コロナ禍の影響で空輸費用が2倍になり、輸出が激減したスターアップルやランブータンに替えて、同社は海運に向いたニンニク、生姜などの輸出を計画し、まずはアメリカに向けに15トンのニンニク輸出の準備を進めている。

以前は、中国産の香辛料・香味野菜がアメリカ市場を席巻していたが、現在は高額な関税がかけられているために、アメリカの輸入企業はベトナムの新しいサプライヤーを探しており、ベトナムにとっては巨大市場に参入する大きなチャンスになるだろう。

(Nguoi Lao Dong 6月17日,P.10)