中国やタイからの生産シフト、ベトナム投資の利点と問題点

ベトナム投資

リスクを分散させ新たなチャンスを活かすため、日本企業の生産シフト先としてベトナムは選ばれている。

中国や東南アジアの他の国々に生産拠点や事務所を置くという『チャイナ・プラスワン』や、『タイ・プラスワン』の戦略は、この2国で投資を行う際にリスクを分散させるために、日本企業がこれまで行ってきた手法だ。

この地域で唯一、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)に参加しているベトナムは、最もこの戦略に合った候補となっている。

これは実際に、ベトナムに投資を行う日本企業の数がここ最近急増していることからも示されている。しかし、日本商工会議所(JCCI)のデータによると、東南アジアにおける日本からの外国投資プロジェクト数で、ベトナムは4位(中国の8分の1)であり、そのためベトナムが日本からの投資プロジェクトを更に誘致できる可能性は非常に大きい。

2月26日に開催された『計画投資省とJCCIの対話』で、日本メコン地域経済委員会の大下英和事務総長は、この傾向について改めて言及した。

大下氏は、「現在、多くの日本企業が、中国やタイから生産をベトナムにシフトしています。CPTPP協定からの恩恵を受けると同時に、米中貿易摩擦からのリスクを分散させるためです」と述べた。

■ベトナムへシフトする利点、今後の改善点

JCCIが、中国・タイ・ベトナムの3か国で現在投資を行っている日本企業15社を調査したところ、ベトナムが競争力を持つ点は依然として『安い人件費』だった。

また、中国と比べてベトナムが持つメリットは、日本との良好な関係だ。日本企業も、裾野産業分野発展を促進するベトナム政府の政策を高く評価している。

一方、タイと比べたベトナムの利点としては、国内市場の大きな可能性と、安定した高い経済成長率が挙げられている。

しかし、インフラの未熟さや、サプライヤー、人材など見劣りす體_もあるため、生産をベトナムにシフトする決定に影響を与えるマイナス要因も少なくない。

大下氏は、「▽交通、発電送電インフラが未だに完全ではない、▽サプライヤー不足によって部品の輸入を余儀なくされ、生産コストが上昇する、▽中間管理職の不足などが、日本企業が現在躊躇している主な問題点です」と調査結果を述べた。

しかし、大下氏は、チャイナ・プラスワンやタイ・プラスワン戦略の中で、ベトナムはまだ注目されており、現段階はベトナムが裾野産業を発展させるチャンスでもあるという。

中国からベトナムに生産をシフトした会社の1つであるA&D VietnamのOyama社長は、 対話の席で、現在企業が直面している問題は、部品の輸入が必要なことにより、生産コストが中国やタイよりも高い点だと意見を述べた。

Oyama社長は、目的はリスクの分散であるため、当面の間は利益を重視しないが、生産規模の拡大や、中国やタイから完全にベトナムでの生産にシフトするのであれば、考慮しなければならない問題となるだろうと話す。

計画投資省のVu Dai Thang副大臣は、日本企業からのこうした意見を受け止め、アジア地域における投資誘致競争がますます激しくなる中、ベトナムは引き続き外国直接投資の誘致を強化し、その資本を効果的に利用するために、▽投資・ビジネス環境の改善に努め、▽投資法や企業法、関連法を修正・補足し、▽不必要な経営投資条件の見直しと削減、▽税金管理システムと税関手続きの処理過程を改善など、体制を更に強化していくことを確認している。

副大臣は、「計画投資省は、投資と事業活動を円滑かつ効果的に支援するために、常にFDI企業、特に日本企業と共に努力することをJCCIに約束する」と述べた。

(Dau Tu 2月27日,P.4)