忍び寄る中国企業、大型プロジェクトに次々と投資

国防省が指摘しているベトナムの重要不動産の所有に飽き足らず、中国の投資家たちは、エネルギー、資源、電子商取引などに関連する各種プロジェクトへの投資に力を注いでいる。

■エネルギープロジェクトへの投資

手続きの簡素化、優遇政策(税、土地)と共に、海外直接投資(FDI)誘致の急速な増加で、ここ数年、ベトナムは数々の大企業の誘致に成功し、労働生産性、輸出、ハイテク分野に大きな変化をもたらした。

しかし、多くのプロジェクトが中国や香港の企業の投資で成り立っていることから、様々なリスクが生まれ、国家安全保障を危険に晒すことになっている。

エネルギー分野では、Vinh Tan 1火力発電所(Binh Thuan省)は、総額17億5,500万ドルが投じられ、1,240MWの発電能力を持つ。このプロジェクトは中国企業のPhuong Nam社が資本金の55%を拠出し所有権を握っており、次いで中国南方電網公司が40%の資本を拠出し、ベトナム電力総公社が拠出したのは僅か5%のみだ。

Ha Tinh省には、投資総額21億8,700万ドルのVung Ang 2火力発電所プロジェクトがあり、発電能力は1,200MWに上る。香港企業のOne Energy Asia社がベトナム国営建設企業のLILAMA社の株式25%を、REE冷蔵電気工業の式23%を取得したことで、同プロジェクトの所有権を握ることになった。

さらに同社は、Vinh Tan 3火力発電所プロジェクトにも手を出し、同プロジェクトにおける投資総額の55%を拠出しており、残りはEVNが29%、Thai Binh Duongグループが16%を拠出している。

■各分野に広がる中国企業の魔の手

また、第4次産業革命の勃発は、各国で電子商取引、オンライン決済市場を、小売業の「血脈」に成長させた。こうした流れを掴むかのように、中国大企業のAlibaba社やTencent社は、今がチャ塔Xと言わんばかりにベトナムへの進出を果たしている。

オンラインショッピングサイトのTikiは、東南アジアでトップ10に入る業績を残している。このTikiの株式24.25%をベトナムのハイテクユニコーン企業(評価額が10億ドル以上の未上場スタートアップ企業)であるVNGが所有しているが、残りの株式はJD.Com International(22.2%)、Ubiquitous Traders(8.82%)など外資系企業が保有している。

そのうち、JD.Com Internationalは、北京に本社を置き、中国の小売業で一二を争うマンモス企業京東商城(JD.com, Inc.)として知られている大企業だ。

Tiki以外にShopeeも2019年にTencent社から2兆5,000億ドン(125億円)という大きなバックアップを受けている。また、Alibaba社は、2016年から2019年にかけて、東南アジアLazadaに40億ドルを拠出している。

その他、中国企業は大規模なM&Aも進めている。農業分野で最も大きな取引は、ベトナムの食糧、畜産分野で大きなシェアを占めているC.P VN社の買収だろう。タイの親会社CPGは保有していたC.P VN社の株式(71%)の全てを香港に本社を置くPokphand社に売却した。

(Thanh Nien 5月18日,P.2)