ホーチミン市都市鉄道1号線、多数の違反が発覚

ベトナム地下鉄:ホーチミン市都市鉄道1号線

※写真はイメージです(ホーチミン市都市鉄道1号線ではありません)。

国家会計検査院は2か月に及ぶ調査を終えて、ホーチミン市都市鉄道1号線(Ben Thanh-Suoi Tien)プロジェクトの検査報告書をまとめた。

■多数の違反や問題点が明らかに

投資総額の調整方針は、首相の許可を受け、関係各省の賛同も得ているが、審査と決定が権限を持っていない機関で行われており、「ホーチミン市人民委員会によるプロジェクトの調整と承認は投資額から考えると不適切で、手続ォを遵守しておらず、権限も合致していない」と報告書は指摘している。

投資総額は2011年決定4880号で約35兆ドン(約1,750億円)増額され47兆3,250億ドン(約2,366億円)に引き上げられているが、これは国会決議49/2010号に反し、このような資本規模は国会で決定されねばならず、建設法に照らしても、国家重要プロジェクトの決定権は首相にある。

プロジェクトの完工を2017年から2019年に調整することをホーチミン市人民委員会が承認したことも同様に権限にふさわしくない。国家重要プロジェクトで1年以上実行期間が延期される場合、政府による報告に基づき国会が判断することになっている。

ホーチミン市人民委員会が、投資効果の評価報告書が無く、資金源も明確になっていないなかで、プロジェクトの調整が承認されたことも問題となっている。

■市や担当者の越権行為を指摘

国家会計検査院は、Hoang Nhu Cuongホーチミン市都市鉄道管理委員会(MAUR)副委員長(現在無許可で出国中)の権限違反も指摘している。

Cuong氏は、投資総額を167億8,000万円増やすことになった2014年決定178号に署名しているが、これは氏の権限として不適当なものである。また決定4480号ではBen Thanh駅が2階建て床面積1万2,720m2となっていたものが、決定178号では4階建て3万m2に調整されている。

ホーチミン市計画投資局によるプロジェクトの審査も権限違反で、プロジェクトが国家重要施設に該当するため本来は、国家審査評議会が審査しなければならない。

■関係者の処分求める

多数の設計調整についても、経済性や技術的合理性が確保されていないと国家会計検査院は指摘し、結論として「浪費・流出を引き起こしている」、あるいは「浪費・流出の可能性がある」といった文言を使い、ホーチミン市人民委員会にプロジェクトのこれまでの実行状況を見直したうえで問題点を報告し、関係者の責任を明らかにして規定に基づき処分するよう、首相に求めている。

■石井国土交通相、ベトナムに支払い問題の早期解決求める

石井啓一国土交通大臣はTrinh Dinh Dung副首相やNguyen Van The交通運輸大臣と会談し、鉄道や航空、港、道路、自然災害対策分野での協力を中心に意見交換したうえで、「ホーチミン市都市鉄道1号線プロジェクトで日本の請負業者に対する支払いが遅れている。ベトナム政府が問題を早期解決することを望んでいる」と述べた。

ハノイ都市鉄道1号線や2号線など日本のODAプロジェクトの進度が遅れている問題についても石井大臣は、進行の遅れはベトナム側の手続きの遅れによるものだと明言し、「実行の遅れが再び起きないことを切望している」と付け加えた。

(Thanh Nien 12月26日,P.2)