保険×銀行の『バンカシュアランス』、ベトナムで急成長

ベトナム銀行&保険

銀行を通じて保険商品を販売する「バンカシュアランス」は、向こう3年で生命保険業界の総売上の50%を占める可能性がある。融資が引き締め傾向にあるなかで銀行はより一層、リスクの低い生命保険販売に力を入れ始めている。

■保険に加入すれば低ローンで融資

ホーチミン市9区に住むNgaさんは、住宅ローンの金利や手続を確認しようと、1区の銀行に立ち寄った。

その行員の説明によると、約4億ドン(約200万円)の融資を受け、購入を予定している住宅を抵当とした場合、金利は年12.5%の変動金利、ただ初年度約800万ドン(約4万円)の生命保険を購入すれば、融資の金利は年11.5%に下がると勧められた。

この行員によると、銀行はいま保険商品の販売に力を入れており、保険を購入してローンを組めば優遇されという。

バンカシュアランスのシェア獲得競争が激化するなか、いま少なくない銀行が、生命保険販売を行員のノルマに加えている。バンカシュアランスが急成長し、収益貢献度が増していることは、保険会社も、商業銀行もどちらも認めるところだ。

Prudential保険の担当者によると、Agribank、MSB、PVcombank、Standard Chartered、

Vietbank、UOBなどの銀行と提携して保険商品を販売しており、2017年の銀行との連携による新規顧客がPrudential Vietnamの総売上の20%超を占めている。

「銀行は保険代理店のひとつ。お客様も金融知識を持っている方が多く、それに合わせた商品を設計しています。銀行からも、投資を組み合わせた商品開発を求められるようになりました」とPrudentialの担当者は話す。

■保険加入は人口の8%

Manulife Vietnam社も現在、Techcombank、SCB、TPBankと提携している。

バンカシュアランスは2018年末時点で売上の約30%を占めるという同社担当者によると、顧客にとっては、ひとつの金融取引窓口という利便性があり、保険会社は提携銀行の人的リソースを活用しつつ、中~高級層をターゲットにできる。

Hanwha Life Vietnamも、Woori BankやShinhan Bankと提携して保険販売している。

保険先進国では、新規保険料収入の大きなウェイトを占めるこのチャンネルだが、ベトナムはまだ始まったばかりで開拓の余地が非常に大きい。銀行も、保険商品販売スタッフの採用を強化している例もある。

不十分な統計だが、2015年には10%程度だったバンカシュアランスの生命保険業界全体の売上に対する比率は、現在、約21%を占めている。そして向こう3年で50%に達することが期待されている。

世界的にはごく普通の生命保険加入も、ベトナムではまだ人口の8%を占めるに過ぎない(ベトナム保険協会統計)。リスク予防や、生命保険を組み合わせた金融投資で自分や家族を守ることに関心が向かうなか、市場の開拓余地は極めて大きい。

一方で、一部の保険会社によると、急発展していることで、各保険会社による銀行顧客データベースの獲得競争も生じており、高すぎる割引率を設定しているケースもある。

また一部銀行では、行員に保険販売ノルマを課し、行員が顧客に対し、保険に加入しなければ融資しないと強要したり、知識の少ない行員が保険商品の不正確なアドバイスをする問題も起きている。

(Nguoi Lao Dong 3月4日,P.11)