ベトナム物流業界、電子商取引の発展で新時代へ

ベトナム電子商取引(EC)

物流業界は、電子商取引の発展に欠かせない分野となっている。この時代の流れに対応すべく、ベトナムにおける物流サービス企業の多くは、自社の発展に向け大きな投資を行っている。

■オンラインショッピングの発展と共に成長

ベトナムの電子商取引は、過去数年の間で中国・アメリカ・日本・ドイツなどに続き、世界10大市場の6位に急上昇し、驚異的な成長を遂げている。

商工業省もまた、2020年までに電子商取引市場は年間100億ドル規模に達し、小売業の5%を占めることを期待している。オンラインで取引される商品量は急増し、電子商取引の物流サービスに対するニーズも急速に高まり、現状としては実際の需要に追いつかない状況だ。

スピードデリバリーサービス社(Giao Hang Nhanh)の予測によると、オンラインでの注文数は、2015~2020年に平均年45%の伸びで成長し、2020年には4億7,200万ドル相当の5億3,000万件に達する可能性があるという。

こうした予測から、大手電子商取引企業は、物流が1つの重要な柱となる独自のビジネス体系を確立している。

例えば、LazadaグループのLEL Express社は、ハノイのSai Dong B工業団地にあるHatecoロジスティクスセンターに、敷地面積が約1ヘクタールにおよぶ同社2番目の自動商品仕分けシステムに投資した。

1時間に最大1万個の商品仕分を処理できるこのシステムは、今後2年間はハノイの配送需要に十分対応できると期待されている。

配送センターは、Viettel PostやVietnam Postなどの多くの成功した企業と共に、ベトナムで更に増加するだろう。

同時に、一部の新しいベトナム企業も、過去5年間に配送センターへの投資を始めており、Giaohangnhanh、Giaohangtietkiemなどはその典型的な成功例といえる。

各企業は、取引ネットワークと柔軟な輸送手段の整備、各都sの中心部で活動しており、6時間以内に商品を配達し、受け取ることができる。

この事業について、HatecoグループのDinh Duy Linh社長は、配送事業に参入後、この業界にはまだ成長の余地が多いと感じたという。電子商取引企業が急増し、それと共に商品の保管、仕分、配送するスペースの賃貸ニーズも増えている。

Hatecoに投資する一部の企業は、当初はまだ模索中であることを前置きし、現在、市場シェアを拡大するため、近代的な配送ラインへの投資に特に力を入れている。

Linh社長は、「私たちは、1つの商品の仕分を4~5秒で行えるロボットによる自動仕分システムで、いくつかの企業と協力し研究を続けています」と話す。

■サービスの向上とコストの削減が望まれる

商工業省輸出入局によると、電子商取引は今後数年間で急成長し、電子商取引のための物流もその勢いに乗って成長するという。しかし、この業界もまた、早急に解決が必要な問題を抱えている。

1つ目は、より良いサービスとより安いコストが求められていることだ。中でも航空輸送は、電子商取引、特に国境を越えた電子商取引の主な手段となっている。

しかし、ホーチミン市と南部の主要経済地域全体、およびメコンデルタ地域には、何十万もの企業があるにもかかわらず、航空貨物ターミナルは2か所しかなく、電子商取引のためのターミナル計画がされている場所はまだ無い。

電子商取引に対応するため、物流企業は軍の兵舎や住宅地が密集しているタンソンニャット空港の周辺にスペースを借りる必要があり、道路の接続も悪く、2,000~3,000m2の敷地の確保や利用は非常に難しい。

ノイバイ空港およびハノイには、ホーチミン市よりも広いスペースがあるにもかかわらず、電子商取引商品を対象とした長期的な計画エリアは無い。

2つ目の弱点は、輸送が多様化していないため、コストが高いことだ。トラックでの輸送は、投資コストも運用コストも高く非効率なため、殆どの運送業者は少量しか運べないバイクで商品を配達している。

一方で、電子商取引のための物流サービスは依然として弱く不足しており、商品配達サービスや特殊輸送は未発達なままだ。また、ベトナムはアジア地域の他の国々と比べ、最も多く現金を使用している国で、集金した現金を持ち運ぶ配達スタッフに危険が及ぶ可能性もある。

輸出入局によると、今後、政府と各省庁は、電子商取引や電子商取引用の物流のための法的枠組みを策定する必要があるだろう。

具体的には、▽商品の配送・受け取りを証明する領収書、▽交通管理の規定の策定、▽企業の自動化技術の導入・開発を奨励する条件の整備、▽エコロジスティクスに適した環境に配慮した“グリーン”輸送手段の開発、▽ベトナムで広く普及している電子決済を促進・支援し非現金取引の促進など、各企業が連携し、互いに発展していける環境を整えることが急務となっている。

(Congthuong.vn 6月18日)