エッグコーヒーの都となったハノイ

エッグコーヒー:ハノイ

ハノイエッグコーヒーのブームが続いている。今や、Giangコーヒーだけでなく、多くのカフェがエッグコーヒーを取り扱っており、しかも美味しいという。

■エッグコーヒーは卵にはしっかりと火を通す

エッグコーヒーは米朝首脳会談でホットな話題の一つになり、人々はこのコーヒーを最初に作ったGiang氏についても色々と話題にしていた。伝わっている話や取材で、同氏はまだ材料が少なかった時代に同メニューを考案したということがわかった。

ミルクが希少だった頃、同氏は卵に砂糖を入れてかき混ぜ、それをコーヒーに流し入れたことで、この伝説のコーヒーが誕生したようだ。

フワフワしたクリームが発する甘く柔らかい香りは、コーヒーの芳ばしい香りと絶妙に調和する。しかし、こうしたエッグコーヒーの有名店でさえ、客たちは一つの疑問を抱く。「この卵には火が通っているのか・・・」と。

様々な食品を取り扱う書籍、『Biet thi da ngon』の著者グループによって、その秘訣が明らかにされている。

同グループのリーダーTo Linh氏によると、卵に火を通すのに一般的に使われているのは、茹でたり、焼いたり、またはスープに入れたりして熱を加える調理法だという。

この卵に加わる熱によって、卵白と卵黄が持つプロテインやアミノ酸などそれぞれの成分が繋がり、固まるのだという。これは性質変化と呼ばれており、火が通れば柔らかかったものが固まる現象だ。

「卵を泡立ててクリーム状にするとき、泡立てる力が非常に小さな気泡を生み出します。それらの気泡はプロテインが結合している隙間に入り込み、その組織を破壊します。そして、その気泡によって卵に含まれるアミノ酸が再度体系を整えます。これも卵を性質変化させる方法となっています」とTo Linh氏は話す。

しかし、卵を泡だてクリーム状にすることは、先に挙げた熱を使った調理法のように、卵に火が通った状態と同じになるのだろうか。

To Linh氏は「卵に熱を伝えれば滅菌できますが、卵を泡立てるだけでは、滅菌はできません。しかし、卵の中身は清潔で、さらに、卵の殻も綺麗に洗ってあるのであれば、細菌が繁殖している可能性は極めて低いといえます」と説明した。

また、「もし、こうした細菌や微生物が心配なのであれば、いくつか方法もあります。たとえば、生卵を殻のまま60℃のお湯に浸すか、沸騰したお湯を入れた器に卵を入れたカップを5分間つけておくという方法もあります」と加えた。

食品専門家のNguyen Quang Viet氏によると、エッグコーヒーを取り扱う多くのカフェが、卵を割り入れた容器を湯煎し、温めながら、泡立てる方法を取り入れているという。「こうすると香り高く、安全な卵クリームができあがります」と同氏は話す。

■それぞれの店が独自のレシピ

ハノイのエッグコーヒーは名物となった。Giangコーヒーだけでなく、今では、客はどこでもエッグコーヒーを頼むことができ、味も良い。また、使用する原料やその割合、淹れ方なども多岐に渡り、元祖を超える味を出すカフェもあるという。

エッグコーヒーはすでにGiangコーヒーの専売メニューというわけではないのだ。Giangコーヒーでは、卵を泡立てる機械は非常に大きいものを使っており、この機械を使うことで、ふっくらとしたきめ細やかな卵クリームができるという。

Nguyen Huu Huan通りには、Giang氏の弟子の一人が店を開いているが、他にもエッグコーヒーを提供するカフFがある。

その一つにNangコーヒーが挙げられる。この店はハノイで美味しいコーヒーを出す店として有名で、ハノイ人によって「Nhan、Nhi、Di、Nang(ハノイの有名カフェの名前を並べた表現。Nhan、Nhi、Di、Giangとする人もいる)」とコーヒー四天王に数えられることもある。

Nangコーヒーのエッグコーヒーも、当然コーヒーと卵が原料になっている。しかし、最初の一口で、このカフェのエッグコーヒーの砂糖と卵の比率は、Giangコーヒーのものとは違うということがすぐに解る。

ハノイ旧市街に住むThu Huongさん(30代)は「私にとって、Giangコーヒーのエッグコーヒーは少し甘すぎて、カフェNangの方が好みです」と語った。

一方、Thu Huongさんの姉であるThanh MaiさんはGiangコーヒーの方が好きだという。他にも、Dinh、Luk Lak、Le la、Pho Coなど、エッグコーヒーが人気の店は多い。

他店のエッグコーヒーの作り方には、さらに複雑なものもある。

ある店では、卵にホイップクリーム、牛乳、練乳を入れて泡立てている。この場合、卵の白身は使わずに、黄身だけを使うという。

この方法では、白身の代わりに、ホイップクリームが卵クリームをふんわりとした仕上がりにする。もちろん、この卵クリームを使ったエッグコーヒーの価格は一般的なものよりも少し高い。

使われるコーヒーも、Giangコーヒーのように伝統的な方法で淹れたコーヒーを使うこともあれば、コーヒーメーカーを使ったコーヒーを使う店もある。コーヒーメーカーを使えば、熱々のコーヒーを淹れることができるので、伝統的なコーヒーのように温めなおす必要がない。

(Thanh Nien 4月21日,P.7)