ベトナムへの食品輸出輸入、日本企業が指摘する問題点

ベトナム食品の輸入輸出

日本貿易振興機構(JETRO)は3月20日、ホーチミン市で食品輸出入に関する会議を開催した。日本企業から輸出入手続きで様々な問題が指摘された。

■過剰なサンプル取得

通達38/2015/TT-BTC号と通達14/2015/TT-BTC号では、税関が取得するサンプル数は規定していないが、実務上では2つ以上のサンプルが取得されている。

サンプル取得にあたっては、企業、主管省庁、税関が覚書に署名し、HSコード分類の結果が通知されてから120日以内にサンプルは返却されるとされているが、日本企業によるとこれらの規則は守られていないことも多い。

覚書の書面が渡されなかったり、サンプルが返却されなかったり、必要以上にサンプル取得されたり、価値の高い部分をサンプルとして取得されたりすることもあり企業の負担は大きい。日本企業はサンプル取得における透明性向上を求めている。

■長い価格審査

通関にあたって税関は、企業の申告価格を却下し、修正申告させるために価格審査を求めることがある。この場合について企業は、企業の申告価格を却下する旨を記した書面を出すことを求めている。

また日本企業は、税関の価格審査が非常に長く、税関が示す価格を企業が受け入れられない場合、上級機関に不服申し立てしなければならないという問題も指摘している。企業は、この価格審査中に商品を倉庫に移動できるよう求めている。港に長く留置すれば、品質に影響が出るからだ。

会議の中で、税関総局Dao Duy Tam氏の説明によると、規定上は通関書類を受領してから5日以内に、税関は価格審査の実施を決定した旨を書面で企業に通知するが、貨物の引き取りは認められ驕B5日を経過して税関が価格審査を決定しなければ、企業の申告価格を税関が受け入れたとみなされるという。

価格審査の実施となり、企業に貨物保管が認められた場合は、その貨物はまだ販売できない。一方で企業に貨物引き取りが認められた場合では、価格審査を待つケースと、HSコード分類の分析を待つケースが考えられる。

■分析能力に対する疑問も

日本企業各社は、輸入品の品質分析についても、仮定の話としたうえで、次のような問題点を指摘している。

それは、成分検定を行う機関間で検定結果に差があり、企業の品質公表に影響する可能性があるという点だ。加えて、現在は結果が出るまでに7日かかる分析時間を短縮する対策も求められる。

商工業省科学技術局のNguyen Manh Thang氏によると、商工業省は食品検定を行うことができる機関を22指定しており、一覧を省ウェブサイト上に掲載、毎月更新している。

Thang氏によると、検定結果はどうしても各機関の能力に拠ってしまう。各機関で設備、人材の条件がそれぞれ異なるため、各機関は通常は、自らの条件や能力に合わせて基準を標準化しているが、国家管理の立場から商工業省は2018年から、検定機関に対する定期検査を実施する方針を打ち出している。各機関の能力が維持されているか評価するためだ。

検定結果の相違と言う部分での現実的な対策として商工業省は、各検定機関に自機関で対応しきれない量のサンプルの検査要請があれば、断るか、引き受ける限りはしっかりと対応するよう勧告するという。また世界で採用されている分析方法を常時取り入れて待機時間の短縮を図る。

ただ、商工業省は管理機関の立場として、分析期間の短縮はなかなかに難しい問題だとも言う。検定結果は、市場流通する食品の品質管理や、食品の安全確保の基盤になるからだ。

 (Thoi Bao Kinh Te Viet Nam 3月21日,P.6)