ベトナムのインターネット広告事情(2019年2月版)

ベトナムのインターネット広告事情

FacebookやGoogleに依存しないネット広告戦略

最近、FacebookGoogleが揃って一部方針を変更したことで、各企業は広告料の予算を増やさなければならなくなったという。広告制作企業も「非常に頭の痛い問題だ」と漏らしている。

Statistaの資料によると、2019年1月時点で、ベトナムのFacebookアカウント数は6,100万件存在し、これは世界で7番目に多い数字となっている。(ベトナムの人口は世界15位)

市場調査会社のANTSの資料によると、2018年のベトナムにおけるオンライン広告費用は5億5,000万ドルに上った。その内、Facebookが2億3,500万ドル、Googleが1億5,210万ドルと、この2社が大半を占めている。

■オンライン広告は以前より割高に

広告業界に関わって約10年になる Marry Network Ringer Viet Nam社のBui Quang Tinh Tu社長は、FacebookとGoogleは広告制作者や各ブランドのビジネスに非常に大きな影響を及ぼしていると分析している。

Facebookがアカウントと利用者データ管理を厳格化するために方針を変更したことで、広告の相互運用性が低下することになった。Facebookが各アカウントの友人、親戚、知り合いなどの投稿内容を、Facebookにアップされる広告などよりも優先するようになったのだ。

ここ18か月のFacebook上の4,300万以上の広告(ブランド数はおよそ2万)を分析した結果によると、BuzzsumoとBufferは全てのFacebookページ上において広告表示回数が50%も低下していることを確認した。低下率は平均して65%で、1記事あたりの表示回数が4,490回から1,582回にまで激減した。

昨年に比べると、現在のFacebook上の広告は非常に多くの制限がかけられている。例としては、昨年までは電話番号やメールアドレスを使って人を探すことができたが、現在はそれができなくなっている。

Tu社長は、「Facebookの広告制限は広告費用を増大させています。例えば、昨年と同じ広告費を投じても、得られる効果は明らかに落ちました」と分析した。

これまで1,500万ドン(7万5,000円)の広告費で、15万8,000回広告を表示することができた。しかし現在、同数の表示回数を得るためには、2,000万~2,500万ドン(10万~12万5,000円)の広告費がかかる。つまり、これまでと同じ効果を得るためにはFacebookにこれまでよりも多額の広告費を支払う必要がある。

より多くの効果を得るためには、より多くの広告費を支払うだけでなく、多くの記事と労力が必要になる。

Facebookだけでなく、Googleも広告表示回数を減らしているため、企業はさらに多くの広告費用を捻出しなければならなくなった。各企業は自然検索での直接競争のみならず、費用のかかる広告においても競争は激化している。

例えばGoogleでは、以前は1,000万ドン(5万円)で10万~20万回の広告表示を得ることができたが、現在それと同数の広告を表示するための費用は10%程度増加している。

Googleは「https」がGoogleウェブサイトに表示される広告の順番を決める要素になったこともあり、「https」の使用を奨励している。

各企業は自社のホームページの「http」を「https」に変更しなければ、広告の表示順位が落ちることを意味している。また、ウェブサイトのロード速度もGoogle広告の順番を決める要素となっている。

Googleは各社に対して、広告の表示順位を後退させたくなければ、新たに盛り込まれた要素をアップデートするよう呼びかけている。

■ベトナムにおけるFacebookとGoogle以外の新たなネット広告戦略

ホーチミン市科学技術局付嘱先進科学技術応用センター講師のNguyen Pham Hoang Huy氏は、広告費用が上がれば、各企業の競争も激化するだろうと見ている。

同氏は「企業は、広告掲載、顧客へのアプローチ、ブランド価値の向上、収入増加を図るために、それぞれ異なるツールやプラットフォームを利用する必要があります。少なくとも、同様の広告を2つ以上のツールやプラットフォームを利用して打ち出すべきであり、片方が減少すれば、もう片方で補う必要があります」と話す。

また、「最初はFacebookを利用しても良いと思います。しかし、その後大きく成長したいのであれば、他のツールを利用すべきだと考えています」と続けた。

Haravan社マーケティング部門のNguyen Manh Tan氏はFacebookの広告と同様の広告支援ツールとして、Facebookメッセンジャー、Zalo、ショートメッセージなどの利用を通して広告を個々に送るような方法もあると述べた。

広告専門家によると、現在ベトナムでは多くの広告プラットフォームが発展しており、各企業はFacebookとGoogleに頼るのではなく、自社に合った広告掲載ができるツールを探すなど、最新動向を掌握しなければならないという。

具体的に言うと、現在商品を必要とする顧客は、Googleで検索をかけることなく、Tiki、Lazada、Sendoなどのオンラインショッピングサイトに直接入っている。こうした変化から、近々広告ビジネスはこのような電子商取引の舞台に移動していくと考えられる。

今後、広告費はFacebookやGoogleからTikiやLazadaなどオンラインショッピングの舞台へと移っていくだろう。そうなってくると、オンラインショッピングサイトの運営会社は各社に広告を提供する側となり、自社サイトで広告費を得るようになる。

同時に、Tik Tok、Tinder、Instagramも大きく発展しているプラットフォームと言える。ある海外企業のメディア管理をしているThさんは、Facebook広告に多くの広告費を支出しなくても、収益を上げることは十分可能だとアドバイスした。

(Tuoi Tre 2月26日,P.4)