マンション購入者とデベロッパー、様々な対立がベトナムの社会問題に

ベトナムマンションデベロッパーの問題

最近、ベトナム各市内のマンションプロジェクトで住民とデベロッパーの対立が急増している。こうした問題が長引いているのは、ホーチミン市が有効な解決策を持っていないためで、このような問題から、何十億ドン(数千万円)もかけて購入したマンションで暮らす人々の一部は、不安な生活を送っている。

■所有権の争いから、居住者は水も電気もない生活に

Binh Thanh区の『La Bonita』マンションに住む多くの住民は、憂鬱な気持ちで日々を過ごしている。住宅の引き渡しを受けて数か月経った時、建物の所有権をめぐり、以前のデベロッパーと新たなデベロッパーの間で紛争が起き、電気や水が供給されない生活を強いられており、多くの住民が憤慨している。

Angel Homes社は2018年、Nam Thi社の出資資本100%を資本譲渡契約第16/2018/HDCN号に従って買収することで、La Bonitaプロジェクトの買収に同意した。また、Angel Homesは、La Bonitaプロジェクトの負債処理と投資資金に約3,450億ドン(約17億2,500万円)を拠出することに合意した。

署名された契約によると、Angel Homesは、Nam Thi社が会計書類、マンション購入や取引記録、法的な投資文書、建設書類、工事品質書類、防火記録、Nam Thi社の顧客の資金の流れなどの十分な書類を全て引き渡しが完了した時点で、債務の支払いを履行するとされている。

しかし、これまでのところ、書類の引渡しは完全に完了していない。この2社のデベロッパーの権利移転問題よって、管理委員会による電気代、水道代、管理費の集金で問題が生じ、そのれにより居住者は電気や水がない生活を強いられている。

別のマンションでの対立ケースは、ホーチミン市Go Vap区でKhang Gia不動産開発投資社の『Khang Gia Tan Huong』プロジェクトだ。

これまで、居住者は様々なものが不足する中で生活している。上り下りには避難経路の階段を利用し、所有権の文書も無く、71戸の部屋には許可が下りていない。

デベロッパーが、コミュニティルーム、駐車場、託児所、1階から中2階への階段、2階のプールなどの公共エリアの権利を所有し、建設前に承認された設計には無い71戸の部屋を追加建設し、違法に販売した。

これらの違反により、ホーチミン市建設局はデベロッパーに対し、違反している部屋を解体し、契約を解消して購入にお金を返却するか、購入者に新たな住居を手配するよう要求した。しかし、Khang Gia社は財務状況が厳しいことを理由に、対応を渋っている。

■維持費や管理公益費の問題

ホーチミン市7区のマンション、『Era Town』の数百人もの住人は、デベロッパーであるDuc Khai社が、管理委員会を選出するためのマンション会議を開かず、500億ドン(約2億5,000万円)近くになる維持費を住民らに手渡していないことに対し、繰り返し異議を表明してきた。

この問題は、住人が不満を表明した後には毎回、複数の怪しい人物が住人を脅かすような行為が行われたことも発覚している。

2区公益サービス社が2008年から運営する『An Phuc An Loc』マンション(2区An Phu街区の再定住プロジェクト)の2つケースでは、マンション購入時に販売価格の3%を維持費として徴収されており、その合計金額は30億ドン(約1,500万円)以上となっていた。

2010年になって、マンション側はやっと管理組合を立ち上げ、本来であれば徴収済みの30億ドンは、管理組合に引き渡す必要があったが、マンション運営会社は、2016年になってやっと管理組合にお金を引渡した。しかし、その金額は30億ドンではなく、5億3,100万ドン(約265万5,000円)だった。

2区公益サービス社は、25億ドン余は、これまでの長年に渡る維持・修理費に費やされたためだと説明した。

2018年半ばになって管理組合は、マンションの修繕費を確保するため、維持費として1 m2当たり毎月10,000ドン(約50円)、62m2の物件で毎月62万ドン(約3,100円)の集金を決定した。しかし、一部の住人はこの維持費の支払いを激しく拒絶した。

ホーチミン市建設局のNguyen Thanh Hai住宅・公庁管理部長によると、維持費や公益費はマンションで最も論争になる問題の1つだと話す。具体的には44件のマンション騒ョのうち、31件は維持費に関連したものだという。

Hai氏は、現行の規制では、もしデベロッパーが販売時に徴収している維持費を管理委員会に引き渡さない場合、市人民委員会が強制的に執行させることができると話す。

しかし、強制的な実行は難しく、もしデベロッパーの銀行口座に残金がない場合は非常に時間のかかるプロセスに従って執行する必要がある。そのため、争いが長期化し、住民の怒りに繋がっていくという。

■管理組合の無いマンションが多数存在

Hai氏によると、市には1,440のマンションがあり、このうち212のマンションに管理組合がないという。原因は一部のデベロッパーがマンションの所有者を交えた会議を開かず、維持費や管理費を保持・マンション共有部分を使用するため、自らマンションの運営管理をしようとするためだ。

ホーチミン市建設局によると、こうしたマンションでの紛争は近年、社会問題としてクローズアップされている。そのため、行政による検査、罰則、強制執行だけでなく、広報活動や住民対話による社会的な措置を講じていく必要があるという。

建設省によると、同省は3月末までにハノイとホーチミン市のマンションを全て検査する。これは、4月に予定されている『現在のマンション管理・維持資金の管理と使用に関する法律の実施、障害と解決策』をテーマに、法律委員会が国会で説明を実施するための活動の一環だという。

(Lao Dong 3月23日,P.4)