ベトナム国勢調査委員会によると、2019年4月1日0時時点のベトナムの人口は9,620万8,984人となり、世界で15番目、東南アジアではインドネシア、フィリピンに次いで3番目に人口の多い国となった。
言及すべきは、ベトナム人の人口と住宅の質にまだ多くの改善すべき問題があることだ。
■学齢人口の就学率が大きく改善
国勢調査の結果によると、人口の割合は男性が49.8%(4,788万1,061人)、女性が50.2%(4,832万7,923人)だった。統計総局のNguyen Bich Lam局長によると、2009年以降10年間で人口は1,040万人増加したという。
2009~2019年の平均人口増加率は1.14%で、前の10年間の年平均1.18%よりも僅かに減少した。
学齢人口のうち現在学校に通っている子供は91.7%となり、学校に通っていない割合は2009年の16.4%から、8.3%に大きく減少した。農村部で学校に通っていない学齢期の子供の割合は都市部より1.7倍高く、特にメコンデルタとTay Nguyen高原の2地域では、それぞれ13.3%となった。
■大都市の人口密度、全国平均の10倍
ベトナムは、世界やアジア地域各国と比べ、人口密度が高い国であり、2019年の全国の人口密度は290人/ km2で、2009年と比べ31人/km2増えている。
ハノイとホーチミン市は特に人口密度が高い地域で、ハノイは2,398人/km2、ホーチミン市は4,363人/ km2と、全国の平均の10倍以上となっている。現在のベトナムの人口増加スピードは、20~10年前と比較して鈍化している。
教育レベルは改善し、15歳以上で読み書きができる人の割合は急増し、ほとんどの学齢期の子供たちが通学し、この10年間で学校に行かない子供は大きく減少した。
しかし、2019年経済概要中間会議で、ベトナムの労働者の質を評価した元中央経済管理研究所所長のLe Xuan Ba博士は、「ベトナムの人口比率は現在黄金期と言われているが、それは人数においてだけであり、質に関しては決して良いとは言えません。なぜなら労働人口の80%が訓練を受けておらず、そのほとんどが肉体労働をしているからです」と述べる。
また、Ba博士は、ベトナム人労働者の質を向上させるためには、教育・訓練を大胆に刷新し改革する必要があると述べた。
Ba博士は、「問題は、私たちが教育を改革するために、弱点を認識しようとするかどうかです。もし現在と同じように教育状況を維持するのであれば、ベトナム労働者の質はいつまでも低いままで、労働生産性は依然として低く、地域の国々から引き離される危険があります」と語る。
■住宅環境、ここ10年で大きく改善
住宅に関してこの調査では、全国には2,687万世帯があり、10年前より440万世帯増加した。世帯の年間平均成長率は2009~2019年期間に年間1.8%増加し、1999~2009年期間と比べ1.2%減少しており、40年間で成長率が最も低くなった。
注目すべきは依然として4,800世帯は住む家がない状況で、つまり1万世帯につき約1.8世帯はホームレスということになる。
しかし、統計総局の評価によると、住宅の無い世帯の状況は徐々に改善されているという。現在93.1%の世帯は、恒久的もしくは半恒久的な住宅に住んでいる。
2019年の1人当たりの平均住宅面積は23.5 m2で、10年前の1人当たり6.8 m2よりも広くなっている。この平均住宅面積は都市部が、農村部よりも高く、それぞれ24.9 m2と22.7m2となり、大きく改善が進んでいる。
それでも依然として6.9%の世帯は、恒久性の無い家や、簡素な家に住んでおり、これら140万世帯の500万人は、今後の住宅改善政策で対応すべき対象者といえる。
(Lao Dong 7月12日,P.3)