優秀なベトナム人の確保に苦労する企業

ベトナム人材の確保に悩む

企業が数千ドルの給料、手厚い優遇、送迎車まで用意しても、一部のポジションでは望んだ人材が見つけることができない。

2019年はホーチミン市の多くの企業で求人が増加する年と予想されており、中でも高度な人材の採用ニーズが非常に高くなるといわれている。しかし、実際には多くの企業が、高度人材への各優遇制度や給料を数年前よりも高くしているにも関わらず、優秀な人材の採用は思ったように進まない。

■破格の条件を提示して人材を探す

Tinh Hoa社(ホーチミン市Tan Binh区)は、年初から募集を続けているが、現在まで、▽マーケティング部長、▽ローカルプロジェクトリーダー、▽プロジェクト監督アシスタントの3つの役職で人材が見つかっていない。

同社のHuynh Quoc Thang社長は、同社がこれらの重要な役職で3年以上の経験を持ち、英語とインターネットに精通する人材に対し、1,500~2,000ドルとかなり高い給料を提示していると話す。

しかし、多くの応募者は英語、チームワーク共に弱く、基準を満たしていない。

Thang氏は、「人事部には多くの履歴書が送られてきますが、書類を見ただけで要件を満たしていないため、ほとんどは書類選考で不採用にしています。数名は面接まで行きましたが、1次試験を通過できませんでした。プロジェクトの追い込み時期に、人材が不足していることで社業に影響を与えるため、とても困っています」と深刻な状況を話す。

ホーチミン市でソフトウェアのアウトソーシングを行うVuong Thanh社のLe My Phuong人事部長も、採用が計画通り進まず落ち着かない毎日が続く。

Phuong氏は、3月中に30人のソフトエンジニアを必要とする中、応募者が少な過ぎたため、非常に困っていると話す。

「内定者には、役職によって25~30%高い給料を支払うつもりでいます。チームリーダーに限っては2,500ドルにもなります。2年以上働き、重要業績評価指標(KPI:Key Performance Indicator)に達した人材には、小型車の提供を約束していますが、このポジションはまだ空いたままです。中堅レベルの応募者しか採用できませんが、仕事をするにはさらに研修を受けてもらう必要があります」と渋い表情で話した。

さらに人材を補充するために、大学と協力して適切な応募者を見つけ、要件の70%に達していれば、すぐに研修を始めると話す。

高度な人材については、海外からの採用も検討中だが、ベトナムにおける外国人労働許可の申請はかなり遅れているため、これには時間がかかる。同社は当面の間、他社からの引き抜きのために多くの給料を支払うのは止むを得ないと考えている。

■高度なベトナム人材は海外での仕事を望む

現在シンガポールで働くTriさんによると、近年アジア地域各国では、ベトナムからの優秀な人材採用を模索している。特にシンガポールとインドネシアは、給料・ボーナス、その他魅力的な多くのチャンスで素晴らしい優遇をし、ベトナムからIT分野で高い知識のある労働者を数多く採用している。

ホーチミン市工科大学の有能な技術者のクラスを卒業したTriさんは、国内の大手ソフトウェア会社に迎え入れられた。

その会社で5年程働いたが、給料も上がらず、何度申請しても建設ソフトの一部の工程でしか働けず、創造性も発揮できなかった。機械のような働き方に嫌気がさして、退職すると、多くの海外企業から声がかかった。

Triさんは、「私がシンガポールに来たのは、給料が高いからではなく、多くの国の有能な人と一緒に仕事をすることで成長し、自分自身の可能性を求め学んでいくチャンスのためです」と正直な気持ちを話した。

同様にPhiさんは、優秀な成績で大学の経営管理学部を卒業した後、ホーチミン市の大企業に入社した。月2,000万ドン(約10万円)とかなり高めの給料を支払われたが、僅か2年間勤務した後、市内のシンガポール系企業でマーケティングマネージャーとして働くため退職を決めた。

Phiさんは、「新しい職場では、給料が2倍になった上、スキルアップのため海外に頻繁に出張する機会があり、キャリアアップの機会を得ました。新しい会社には、キャリアを伸ばすチャンスがあり、自分の能力を証明することができればより高い役職に昇進できるよう、従業員のための条件も整っています」と話した。

(Tuoi Tre 4月4日,P.8)