ベトナム茶、求められる品質向上と輸出戦略

ベトナム茶

ベトナムは世界第5位のお茶輸出量を誇るが、そのうちの90%は未加工のまま輸出されており、輸入国のブランド製品を作る原料となっている。このように評価されない状態が続き、輸出茶葉の価値を向上させることができなければ、今後ベトナム茶生産業界は先行きが見えないと危惧されている。

■ベトナム茶の生産・加工における多くの問題

2018年、ベトナムのお茶輸出量は12万8,000トン、輸出額は2億1,900万ドルで、前年同期比でそれぞれ8.4%、3.4%減少した。

世界でもお茶輸出大国として知られているものの、その品質が低いことで、ベトナム茶の価値は他国のお茶の価格に比べて60~70%程度で、農業農村開発省傘下の作物生産局によると、現在加工工場に出荷されている茶葉のほとんどが、低品質な品種のものだという。

ベトナム茶の70%は紅茶加工に適した茶葉で、残りの30%が緑茶やその他のお茶に加工されている。未だ合理的な品種の栽培ができていないため、紅茶がベトナム茶輸出の主力製品になっており、全体の55%を占め、緑茶は44%、その他のお茶が1%を占めている。

一方、世界のお茶市場はそれとは逆になっている。紅茶加工に適した茶葉の生産量は10%程度で、紅茶と緑茶に加工が可能な茶葉が44.2%、緑茶に加工するための茶葉が21.2%、烏龍茶やその他の高級茶に加工される茶葉が25%を占める。

このようなデータを見ると、ベトナム茶の品質がいかに低いかということがわかる。輸出品の大部分を紅茶が占めており、その価値も低い。

それに加えて、不安定な生産体制も商品の品質に大きな影響を与えている。

生産量の65%は農地面積0.2ヘクタール以下の小さな土地で栽培する各農家によって支えられている。小さな土地で様々な農家がそれぞれの農法で栽培することが、ベトナム茶の品質を一定のものにできない状況を作り出しており、高品質な茶葉を栽培するための科学技術を導入することも難しい状況である。

加工部門の茶葉消費においても様々な問題が存在している。

2018年の時点で、300以上もの組織や個人が、60に上る世界各国・各地域へのお茶輸出に関わっている。輸出を手がける組織や個人が多いことは過度な価格競争を生み、輸出市場を混乱させる可能性があるだけでなく、製品の品質にも影響が出る可能性があると考えられている。

一部の地域では、大きなお茶工場が原材料生産エリア拡大を計画しているが、その拡大規模が小さいか、または工場内の土地に茶畑を作るといった小規模な拡大ばかりでむような価格競争を引き起こす原因となっている。

その結果、加工用茶葉を仕入れる企業は、安くて生産地も定かでないような原料を仕入れることになってしまっている。さらに、農園と企業間には仲卸業者の数が非常に多く、こうした状況がお茶の価格を上げ、保管期間を長期化させることで品質を低下させ、投資費用、人件費を増加させ、その結果低品質なお茶が生産されるという悪循環に陥っている。

■ベトナム茶の品質向上を実現するには仕組みの見直が必要

ベトナム茶協会のNguyen Huu Tai会長は、お茶の品質を向上させるためには、集中生産地域を形成する必要があり、農業組合またはその他の団体を組織して現在個々で栽培している各農家を集約し、生産を進めていかなければならないと述べた。

Ha Tinh省、Lao Cai省、Lai Chau省は企業ごとに加工原料仕入れ地域を分け、こうした取り組みによって企業と農家の間に強い関係ができてきている。

企業にとっても安定した仕入れ先があり、農家にとっては出荷先の心配をすることもなく、高品質なお茶を生産するための資本や科学技術導入の支援を受けることもできる。

輸出用ベトナム茶品質向上のためには、一つひとつの課題をクリアしていかなければならず、それによって初めて価格を押し上げる基礎ができてくる。

作物生産局によると、こうした取り組みを実現させるために、ベトナム茶産業は茶栽培における品種、肥料、農薬などの品質を厳しく検査していく必要があるという。輸入国が使用を認めていない農薬リストに記載された農薬が残留していることによって、商品を返品されてしまうという事態は何としてでも避けなければならない。

それと同時に、現在15%しかない高品質な緑茶の生産量を2020年には30%~40%に増やしていく指針を定め、規定されている食品安全基準を満たす証明書が全てのお茶生産施設に発給されるよう努力する必要がある。

加工工場に原料を供給する先進技術を導入した新規加工工場の設立や、設備投資の拡大に目を向け、高品質な茶葉を安定して供給できる基礎を作っていくことこそ、ベトナム茶の品質を向上させる鍵となるだろう。

(Nhan dan 3月23日,P2)