ベトナムのアジア市場へのさらなる輸出拡大

ベトナムからアジアへ

アジアには、ベトナムと 地理的な距離だけでなく、文化、生活習慣も近い国がたくさんあるため、ベトナム商品はそれらの市場に参入しやすい。この利点と、貿易協定(FTA)の恩恵を利用するには、ベトナム企業は、FTAの原産地規則を遵守すべきだ。

■アジアへの輸出が全体の半分

商工省のデータによると、2017年のASEAN市場への輸出額は217億ドルに達し、過去7年間で2倍増加した。中国、日本、韓国への輸出額は、それぞれ353億ドル、168億ドル、150億ドルとなった。

2018年の年初9か月間で、アジア全体への輸出総額は960億ドルに達し、21%増。輸出総額の53.5%を占めた。

内訳は、▽ASEAN:183億ドル(前年同期比10.2%増)、▽韓国:134.5億ドル(前年同期比26.1%増)、▽インド:51.8億ドル(前年同期比88.6%増)。

■未開拓の市場を掘り起こす

商工業省貿易振興局のLe Hoang Tai次長は、「ASEAN、中国、日本、韓国、インドは、ベトナムの重要なパートナーで、アジアはベトナムにとって最大の輸出入市場となりました」と述べた。

これは、ATIGA、AJCEP、VJEPA、AKFTA、AIFTAなどの協定を通じ、ベトナムとASEAN、その他アジア諸国の二国間及び多国間FTAの結果を反映している。さらに、各省庁、業界、地域および企業は、ASEAN、中国、日本、韓国、インドに焦点を絞り、アジア諸国への貿易促進活動を強化している。

商工業省のアジア・アフリカ部門担当者のNguyen Duong Kien氏によると、ASEAN市場に対し、ベトナム製品は利点はあるが、水産物、果物、鉄鋼、電線、ケーブル、タイヤチューブなどの輸出は増えていないと指摘した。

さらに、過去数年間、ASEAN諸国用の輸出製品に関する原産地証明書(CO)を利用するベトナム企業は少なく、30%にとどまっている。ベトナム企業はASEAN諸国に商品を輸出する場合、COを輸入業者に渡すことで、輸入税が割引になる。しかし多くのベトナム企業は、そのCO取得に力を入れていない。

Le Hoang Tai氏によると、企業のアジア市場進出を促進するため、関連当局は、2019年に国家貿易促進プログラムの枠組みの中で、インドとの貿易促進を提案した。米国が中国製品への関税引き上げを行う影響で、ベトナム企業は、インドにも目を向ける必要があるのだ。

さらに、展示会でベトナム企業との商談を行うため、アジアからの輸入業者を招聘したり、ベトナム商品を購入してもらうため、大手スーパーマーケットチェーン、日本・韓国・中国の卸売・小売業者のベトナム訪問を歓迎したりしている。

■迂回輸出に注意喚起

輸出品の検証に関する商工業省の政令第39号によると、ベトナム企業は、商品が輸出された後、原産地証明書があるからと言って、必ず関税引き下げを享受できるわけではないことに留意しなければならない。

優遇関税を即時享受できる場合もあるが、3~5年後に、海外で税関を通過する際、再度検査され、過去に違反したことのある商品は、再び検証される可能性がある。

さらに、中国商品が「ベトナム産」を名乗り、米国に輸出される可能性がある。商工業省の輸出入管理局原産地証明室のTrinh Thi Thu Hien室長によると、商工業省は、米国が中国からの輸入を制限するため、対中輸入2,000億ドル相当の関税対象リストについて警告した。

それらは、ベトナムを経由し米国への輸出を行うリスクがある品目だ。そのためベトナム企業は、ベトナム経由の迂回輸出を阻止するため、自社の商品が対中輸入2,000億ドル相当の関税対象リストに入っているかどうかをインターネットで調べておく必要がある。

さらに、中国は米国からの輸入品に追加関税をかけており、米国商品が中国による追加関税を回避するため、ベトナム経由で迂回輸出を行うことにも注意を払う必要がある。

(Thoi Bao Kinh Te Viet Nam 12月14日,P.3)